【返校 言葉が消えた日】ゲームから映画へ!!台湾の悲しい歴史が生んだ作品

台湾のホラー映画【返校 言葉が消えた日】を紹介

本日は台湾の大ヒットホラー映画『返校 言葉が消えた日』をご紹介したいと思います。

実はこの作品、元々“白色テロ”を題材にした台湾のホラーゲーム“返校-Detention-”が原作となっており、物凄い人気が出た為に満を持して映画化されたと言う特殊な経緯のある作品です。
台湾でゲームが原作の映画が製作されるのは、本作品が初めてだそうです。当時私もゲームをプレイしてみたのですが、普段手を付けないホラー物という事で背筋が何度も凍ったのを今でも覚えています。

そしてこの映画なのですが、ゲームをプレーした事があるからこそ言えます。ゲームからの映画化作品としてちゃんとゲームの雰囲気を踏襲しつつ、映画独自の良さも出せている秀逸な作品となっております‼なので胸を張っておすすめできる作品です。

ちなみに以前ご紹介した瀑布に出演している王淨（ワン・ジン）が主人公のファン・レイシンを演じています。

それでは映画の紹介いってみましょう!!

キャスト

あらすじ

放課後の教室で、いつの間にか眠り込んでいた女子学生のファン・レイシン（ワン・ジン）が目を覚ますと、なぜか人の姿が消えて学校はまるで別世界のような奇妙な空気に満ちていた。

校内を一人彷徨うファン・レイシンは秘密の読書会のメンバーで彼女に想いを寄せる男子学生のウェイ・ジョンティン（ツォン･ジンファ）と出会い、力を合わせて学校から脱出しようとするが、どうしても外へ出る事ができない。

廊下の先に、扉の向こうに悪夢のような光景が次々と待ち受けるなか、消えた同級生と先生を探す二人は、政府による暴力的な迫害事件と、その原因を作った密告者の哀しくも恐ろしい真相に近づいていく。

※Official Siteより抜粋

感想

まずこの映画を深く理解する為には“白色テロ”についてある程度理解しておく必要があります。

白色テロとは二・二八事件以降の戒厳令下において中国国民党政府が反体制派に対して行った政治的弾圧の事です。1987年に戒厳令が解除されるまでの間、反体制派とみなされた多くの国民、特に当時のエリートである日本留学経験がある方・弁護士や医者が、国家を転覆させる恐れがあるとの言いがかりを付けられた上で捕らえられ、拷問され、殺されました。
今回紹介した返校の劇中に出てくる読書会等も非合法組織参加に当たるとして投獄される理由になったそうです。

この作品はそんな時代が舞台となっています。自由が罪になってしまう時代。それもそんなに昔の話しではありません。そんな時代背景を知っていたので一層主人公のファン・レイシンに感情移入してこの作品を鑑賞する事ができ、彼女の悲しみ、苦しみ、後悔が自分の事のように伝わってきました。

もちろんホラー映画としての一面もありますが、それ以上に作品の持つ哀しさが際立っており、台湾ホラーの特徴でもあるジメッとした湿度も感じられるエンターテイメントとして完成された作品に見事に昇華されています。

ちなみにこの作品Netflixオリジナルドラマとして配信中です。時代背景が1999年となっており『返校 言葉が消えた日』の続編として楽しむ事もできるので、映画が気に入った方は是非ドラマ版もご覧ください。

それでは今回はこの辺で。